【ニューヨーク=大塚隆一】ニューヨーク市は5日、
「トランス脂肪酸」と呼ばれる油脂成分について、
市内のレストランやファストフード店での
使用を原則的に禁止することを決めた。
全米で初めての措置となる。
トランス脂肪酸は、マーガリンやショートニング、
一部の調理油などの加工油脂に含まれ、
菓子やドーナツ、フライドポテトなど多くの食品で使われている。
大量に摂取すると動脈硬化などによる心臓疾患のリスクが高まるとされ、
米国では、悪玉の油脂成分として使用の規制を求める声が強まっている。
米食品医薬品局(FDA)は今年1月から食品中の含有量を
表示するよう義務付けた。
ニューヨーク市の決定は最も厳しい措置で、
外食店は2008年7月までに人工のトランス脂肪酸を
含む食品の提供をやめなければならない。大
手外食産業は代替油への切り替えを急いでいるが、
完全な駆逐は難しいとみられ、混乱も予想される。
[読売新聞社:2006年12月06日