★髪は健康のバロメーター

●髪は健康のバロメーター

今年は梅雨があっという間に終わり、7月の初めから「酷暑」の
晴天がちな日本列島。あなたの体調管理は万全だろうか。
冷房病対策、水分摂り過ぎによる夏ばて対策、
お肌のシミ対策……

そして、案外忘れがちなのが髪の夏ばて対策である。
実は、体調不良やストレス過多、病気のサインなど、
心身の健康状態を的確に反映するのが髪の毛である。
髪の健康管理は心身の健康管理といっても過言ではないのだ。
ということで、今回は髪の健康について考えてみよう。

●オシャレでも紫外線には弱いカラーヘア

夏場だけでなくとも、髪の最も強力な敵は、
さんさんと降り注ぐ太陽光の紫外線だ。
この紫外線が髪の内部に入るのを防ぐ役割を果たしているのが、
メラニンという色素である。髪は、内側から毛髄質、
毛皮質、毛表皮(キューティクル)の三層構造で成り立っているが、
メラニンは真ん中の層である毛皮質にたくさん含まれている。
メラニンが多くなればなるほど髪は黒くなり、
少なくなるにつれて褐色、金髪、白髪と色が薄くなる。
カラーリングで本来の髪の色より明るい色に染めていると、
紫外線が髪の奥まで入り込み、
たんぱく質の分解がすすんでしまったり、
溶け出しやすくなってしまう。
髪の水分を保つ役割を果たすたんぱく質が失われると、
髪がパサついたり、切れやすくなるのである。
したがって、カラーリングをしている人は、黒髪の人以上に
ヘアケアが大切。戸外に出るときはできるだけ日傘や帽子で
陽射しを防ごう。また、海やプールの後など、
髪を濡れた状態のまま日光にさらすと一層傷みやすくなるので、
できるだけ早く乾かすように心がけよう。
さらに、体の中からの健康管理=食事対策なども怠りなく。

●良質な血液を作ることが基本のキ

丈夫な髪を作るには、紫外線対策のほか、
ぬれた髪のまま就寝しない、髪を洗うのは1日1回にとどめるなど、
ふだんからのヘアケアに気をつけることが大切だ。
そして忘れてはならないのが食生活である。
髪に必要な栄養分は、頭皮の毛細血管を通って
血液から供給される。
血液は全身に栄養を運ぶはたらきをしているが、
髪の毛先まで十分に栄養をいきわたらせるには、
バランスの取れた良質な血液でなければならない。
つまり、普段の食生活が何よりも大切なのである

①アミノ酸  
髪の99%は、約18種類のアミノ酸が
結合して作られた「ケラチン」というたんぱく質でできており、
そのなかで最も多いのが「シスチン」というアミノ酸である。
これは体内で合成されない必須アミノ酸から作られるため、
その必須アミノ酸が多く含まれる食品を摂ろう。

【摂りたい食品】 豆腐などの大豆製品、玄米、イモ類など

②ビタミン  
たんぱく質を髪の栄養源とするには、いったんアミノ酸に
分解して合成しなおす必要がある。
その際必要なのがビタミンB群。
活性酸素を除去し、老化を防止するのはビタミンE。
そのほかビタミンA、C、Dもぜひ摂りたい栄養素だ。

【摂りたい食品】 緑黄色野菜、卵、果物、玄米、
豚肉、レバー、チーズ、豆類など

③ミネラル  
たとえば鉄分は、血液が酸素を運ぶために必要なもの。
このようにミネラルも髪の健康を保つうえで欠かせない
大切な栄養素である。

【摂りたい食品】 豆類、プルーン、エビ、海藻、
魚介類、根菜類など#さまざまな食品を挙げたが、
要はバランスの取れた食生活が一番。
バランスのよい食生活は、髪の健康を保つだけでなく
生活習慣病予防など、日常の健康管理にもつながるのである

●やっぱり気になる

抜け毛・髪の量髪の健康で、何より気になるのは
年々減っていく髪の量という人もいるだろう。
年齢とともに髪が薄くなるのは自然の摂理ではあるが、
なかには加齢以外の理由で脱毛する場合がある。
そんな脱毛症の場合は、自分で対策がとれるものについては、
それほど心配のいらないものも結構あるのだ。

●脂漏性脱毛症(粃糖性脱毛症)

フケが異常発生して毛穴に詰まるため、
炎症を起こして抜け毛を起こしやすくなる。
フケがたまらないよう、頻繁に洗髪を行うことが大切。

●男性性脱毛症(壮年性脱毛症)

男性の場合、20歳前後から特定の場所が薄くなる。
はっきりと解明されていないが、
男性ホルモンである「テストステロン」と遺伝が大きく
関係しているといわれる。
治療には女性ホルモンを含む発毛剤が使われる。

●妊娠・出産による脱毛症

女性は、妊娠後期に成長期の毛髪の割合が増えて、
出産後休止期に入るため、出産後3ヵ月くらいに
抜け毛が多くなり一時的に髪が薄くなるが、やがて元に戻る。

●円型脱毛症年齢性

別に関係なく、突然円形または楕円形の脱毛が生じる。
半年から1年で自然に治ることが多い。
ストレスが原因といわれるが、
実際には一種の自己免疫病で、
自分のものである髪の根元を傷つけてしまうことが
原因であるともいわれている。
また、ダイエットで栄養が不足して脱毛する場合もある。
体の健康は髪に直結するということを、くれぐれもお忘れなく