★オメガ3系脂肪酸、人もDOGも。

オメガ3系脂肪酸について3種類の資料です。

オメガ3脂肪酸は、細胞膜の主要な構成要素。
人体の細胞膜は、
必須脂肪酸・たんぱく質・ビタミンA・ビタミンEなどで作られています。

リノール酸(オメガ6脂肪酸):α-リノレン酸(オメガ3脂肪酸)=1:1
となる食生活が理想です。

現在は7:1の比率でかなり悪い状態とされています。

そうなると細胞膜も大変化!!

細胞膜を柔らかくするオメガ3
飽和脂肪は粘着力が強く、反対にオメガ3脂肪はサラサラと柔らかくします。

リノレン酸はEPAやDHAの生みの親
EPAやDHAは、海中生物の食物連鎖の過程で作られます。
人間の体内でも植物油のα-リノレン酸から
多くがEPAに変化し一部がDHAに転換されます。

脳細胞や粘膜、血液に不足しないように
オメガ3脂肪酸は、脳細胞・粘膜細胞・胎盤細胞・赤血球等の膜には
他の細胞膜に比べて、特に多く必要とします。
体内で作れませんので、食事として常に不足しないように摂ることが大切です。

オメガ3脂肪酸の欠乏、ジャンクフードが暴力的犯罪行為を増やす
ー英米の研究 畑の便り  №06-43 2005年10月23日
小針店で印刷・配布したものに加筆

 先週10月17日の英国の高級紙「ガーディアン」に、
人の攻撃的行動、犯罪において栄養の欠陥が
中心的役割を演じている事を示唆する幾つかの調査や
英国と米国の犯罪者での研究が紹介されました。

研究者の一人は、「先進国社会での暴力の大流行は
我々が何を食べるか、あるいは食べないかに関連しているかもしれない。
ジャンクフードは、我々を病気にするだけではなく、
狂わせ、悪行も働かせるかもしれない」と言っています。

その栄養は多様なビタミン、ミネラル、
必須脂肪酸のオメガ-3系脂肪酸(n-3系)です。

<もう少し詳しい資料がほしい方はメール
(お伝えしている)で「オメガ3系資料」と題名で
                    送ってください。>

オメガ脂肪酸と犬のアレルギーと皮膚炎について

【オメガ脂肪酸とは何か?】

食餌で摂る脂肪は、三個の脂肪酸と一個の
グリセロールが結びついたものです。
脂肪酸にはたくさんの種類があり、
どうゆう脂肪酸でできているかによって脂肪の種類が違ってきます。

大きく2つに分けると、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大別されます。

脂肪酸は炭素と水素が手を結んで鎖のように長く繋がって、
その鎖の一方の端に酸素元素が2個ついた構造になっています。

そして、酸素元素がついているほうの端をデルタ・エンド、
もう一方の端をオメガ・エンドと呼んでいます。
飽和脂肪酸では炭素原子はすべて水素と結び合っていますが、
不飽和脂肪酸では水素と結び合っていない炭素があり、
その炭素は炭素同士で結び合っている箇所が何ヶ所かあります。
これを炭素の二重結合と呼び、オメガ・エンドから見て、
最初の二重結合が9番目と10番目の炭素で起きているものを
オメガ9、6番目と7番目で起きているものを
オメガ6、3番目と4番目で起きているものを
オメガ3といっている。

不飽和脂肪酸にはこのオメガ9、オメガ6、オメガ3の
三つに大別されます。(表1)<資料はメールにて>

例えば、オメガ6では基になるのはリノール酸で、
これは植物性食品に含まれています。
食餌でリノール酸を摂ればそれを基にして、
体内で矢印の方向にオメガ6の脂肪酸をつくり出していくことができます。
また、肉・卵・乳製品を食べると、アラキドン酸を直接摂ることができます。

オメガ3では基となるのはアルファ・リノレン酸で、
これも植物性食品に含まれています。
そして、アルファ・リノレン酸を摂れば、体は必要に応じて、
やはり矢印の方向の代謝経路を経てEPAやDHAという
重要なオメガ3脂肪酸を作り出すことができます。

また、魚などは、海藻やプランクトンンに含まれている
アルファ・リノレン酸から食物連鎖を経過しながら、
矢印の方向の代謝によってEPAやDHAを作り出しているため、
魚を食べることによって直接EPAやDHAが入ってくることになります。

(表1)不飽和脂肪酸と体内での代謝経路(→)<資料にて>
 
 
※注:わが国ではメチル基(オメガ・エンド)のCH2をN、
次のCH2をN-1、その次のCH2をN-2・・・と順に呼ぶことから、
オメガ3はN-3系列、オメガ6はN-6系列と呼ぶ。
 
 
それぞれの脂肪酸の数字は左が炭素原子数、
右が二重結合の数を表しています。
矢印の方向の代謝によって、
鎖が長くなり、二重結合の数も増えていきます。

全身の細胞は不飽和脂肪酸によって細胞膜を作っていますが、
脂肪酸の鎖の長さと二重結合の数によって、
細胞膜で果たす役割が違ってきます。
それぞれの細胞が最も望ましい脂肪酸を選んで
細胞膜を作ろうとしているので、
その要求を満たす食餌が良い食餌となるのです。

また、オメガ6とオメガ3の3つの脂肪酸は、
ジホガンマ・リノレン酸からIシリーズの
プロスタグランジンをアラキドン酸からは
II シリーズのプロスタグランジン、EPAからは
III シリーズのプロスタグランジンが作られますが、
体の正しい調節のためには、
原料となる脂肪酸の均衡が必要となってきます。
II シリーズのプロスタグランジンと III シリーズのプロスタグランジンの
不均衡から多くの健康上の問題が生じてきます。

プロスタグランジン(PG):
血圧降下、気管支収縮、子宮収縮、血管の収縮又は拡張、
免疫抑制、利尿等その生理作用は多岐にわたる。

ホルモンとよく似た働きをするが、
生体の局所のみで作用することから、局所ホルモンと呼ばれる。

【オメガ3とオメガ6のアンバランス】

オメガ3とオメガ6によって作り出される調整物質の
プロスタグランジンとロイコトリエンの作用は出産時の陣痛から
血液の粘度、炎症まで広範囲にわたっています。

アラキドン酸は生体膜の流動性を高める役割がありますが、
アラキドン酸から作られる?シリーズのプロスタグランジンは
炎症を激化させるので、オメガ6のみ多量に摂取する食餌では
アトピー-性皮膚炎の症状の激化や関節炎の痛み、
大腸炎では腸内層の腫れを引き起こすといわれています。
逆に、EPAから作られる?シリーズのプロスタグランジンは
炎症を鎮めるので、皮膚炎から関節炎、喘息、腸炎、
疥癬、血管にいたるまで広範囲の炎症を抑え、
症状を改善するといわれています。

?シリーズのプロスタグランジンと
?シリーズのプロスタグランジンは正反対の作用をするので、
オメガ6とオメガ3のバランスのとれた食餌が何よりも大事です。

ロイコトリエン:
喘息発作やアナフィラキシー
(抗原抗体反応が引き金となって起こる激しい過敏反応)を
司る物質として発見された、一群の生理活性物資。
気管支や肺抹消気道の収縮活性、白血球活性化などの作用を持つ。

【オメガ3脂肪酸の可能性】
1999年メリーランド大学共同研究・情報委員会主催で開催された
医学ワークショップによると、植物油、植物食品や魚に豊富に含まれている
エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)の
オメガ3系必須不飽和脂肪酸を摂取することが、
心臓病、免疫関連疾病、精神病、運動障害に有効であるとの
各種の研究結果が発表され、また、オメガ6系脂肪酸の摂取量と
オメガ3系不飽和脂肪酸の必須脂肪酸の摂取量の
バランスが崩れていることが指摘されました。

更に、この他、肥満の改善のために脂肪の摂取を減らすこと
および低脂肪の食事をとることは重要であるが、
この際においてもオメガ3系の不飽和脂肪酸は減少させる
べきではないこと、妊娠時、授乳時におけるオメガ3系脂肪酸の
摂取は子供の発育に重要であること、養豚、養鶏、魚類養殖などで
オメガ3系不飽和脂肪酸の含有量を増加させた餌を使用することは、
養殖対象動物の健康を促進するばかりでなく、
養殖動物体内中のオメガ3系不飽和脂肪酸の
含有量を増加させる効果があることなども発表されました。

オメガ3系不飽和脂肪酸の研究が進むにつれ、
多様な効能が発見されてきましたが、
このワークショップにおいて発表されたオメガ3系不飽和脂肪酸の
各疾病に対する効能についての研究結果の概要は次の通りです。

1. 心臓病に対する効能心臓の冠状動脈疾病、
    不正脈発生による死亡率を著しく減少させる。
    血圧、脈拍数の低下、血液中の脂肪の低下による
    心臓発作を予防、血栓の形成の防止。

2. 幼児の視覚機能、集中力、理解力の向上

3. 出産後の憂鬱などの躁病、精神分裂症、躁鬱病の回復

4. アレルギー・皮膚炎、リウマチ関節炎などの免疫関連疾病の防止

5. 肝臓移植の際の拒絶反応に対する軽減

6. 癌細胞増大、転移の阻止(動物実験段階)

【オメガ3脂肪酸を多く含む食品】

オメガ3・オメガ6・オメガ9源となる植物油
植物性食品の脂肪酸組成
亜麻仁油(フラックスシードオイル)
しそ油 
ククイノキノ種油 
かぼちゃの種
くるみ
大豆
キャノーラ油
小麦胚芽
米ぬか
月見草油
紅花油
ひまわり油
ブドウの種油
ごま油
オリーブ油 
日本食品脂溶性成分表抜粋
いわし丸干し
すじこ
まぐろ脂身
さば
いしもち
ぶり
うなぎ蒲焼
まいわし
さんま
身欠にしん

【犬と脂肪酸】

前述のようにオメガ6とオメガ3脂肪酸のバランスが必要ですが、
特にオメガ3脂肪酸の摂取が犬にとっても免疫機能の向上として重要です。
また、体の成長、キズの治癒の促進、正常な肝機能のためには、
オメガ6脂肪酸、特に動物性、植物性のリノール酸(ガンマ・リノレン酸)を
充分に摂取することが必要となります。

犬もリノール酸(ガンマ・リノレン酸)を体内代謝で、
アラキドン酸に変換することができ、アラキドン酸は
犬の皮膚や被毛を健康に保ち、正常な生殖機能をもたらしてくれます。

オメガ3脂肪酸を多く含んだ食べ物によって、
細胞壁の構成に違いがでできます。
その結果、細胞は炎症を起こしにくくなってきます。
いずれにせよオメガ6とオメガ3脂肪酸をバランスよく与えることが必要です。

【犬のアレルギーと皮膚炎】

●アレルギー
アレルギーは虫刺され、特定の食物や薬、ダニ、花粉、カビそして
人間のフケなどの老廃物が犬のアレルギーを引き起こす原因になります。

皮膚炎、湿疹、大腸炎、花粉症、関、下痢や嘔吐などを含める様々な
犬の健康障害には、アレルギー反応が関連していることが少なくありません。

人間の花粉症に代表されるアレルギーが年々増加傾向にあるのと同様に
犬にもこれと似た減少が増えています。

ダニのフン、蚤の唾液、人間の老廃物などのアレルゲンが
犬の体内に取り込まれると、免疫機能が刺激され、
IgEと呼ばれる抗体をあやまって生成します。

アレルギー反応を起こしている犬の体内で、
IgEは「肥満細胞」と呼ばれる特別な免疫細胞受容体に結合し、
そこから皮膚や胃や腸の内壁、肺や気管に移行します。
IgEは肥満細胞にヒスタミンなどの炎症性化学物質を撒き散らし、
アレルギー反応を引き起こします。

アレルゲンから犬を遠ざけるのが最も有効な治療法ですが、
その他、ヒスタミンについては、抗ヒスタミン剤によって
コントロールが可能ですが、その他の化学物質については
抑制が難しいとされています。

最近では、ロイコトリエンが化学物質の拮抗剤として
効果があるとされています。

また、オメガ3脂肪酸の細胞レベルでの効果、
腸内での肥満細胞の縮小のために高用量の投与を
すすめる米国の獣医師が増えています。

また、皮膚アレルギー疾患では頻繁なシャンプーがすすめられます。
犬の被毛がカビや花粉のようなアレルゲンを集め易いためでもあります。
犬の皮膚から排泄される老廃物や唾液には特殊タンパク(CanF-1)が含まれ、
このCanF-1によるアレルギー反応を起こす人がいますが、
やはり、定期的に犬を洗浄し、長毛種はトリミングをして、
CanF-1濃度を下げることが必要です。
 
●皮膚炎
皮膚炎は感染症、蚤やダニ、アレルギー反応と関連している
ケースが多いと言えます。炎症は修復過程の普通の現象ですが、
度が過ぎるとさらなる皮膚障害を併発することもあります。
皮膚の「肥満細胞」が過剰に増加すれば、若い犬のように、
肥満細胞の腫瘍となります。蚤やダニに刺された場合の
皮膚炎は二次的に細菌感染に繋がることもあります。

人間と同じように現代の犬の住環境はダニの繁殖に適した
環境下にあります。機密性が高く、高温多湿で、
ダニの繁殖に適した環境で、犬も生活する時間が長くなっています。

その結果皮膚のかゆみ等のアレルギー反応を訴える犬が増えています。
血液中の好酸球はアレルギーや寄生虫によって増加し、
攻撃相手を逆にして、体内組織を攻撃するようになり、
ダメージを受けた細胞から化学物質を流出させ、
皮膚のかゆみを引き起こします。

皮膚の感染症としては、細菌やカビ゙によるもの、皮膚糸状菌によるもの、
咬傷や引っ掻き傷による「のうよう膿瘍」、
表皮の部分的な感染症の「ホット・スポット」、イーストの感染症である
マラセシア、ブドウ球菌による皮膚の感染症があります。

【犬のアレルギーとオメガ3脂肪酸】
オメガ3脂肪酸はアレルギー反応を抑制する働きを持っています。
藻類はオメガ3脂肪酸を多量に生成し、
これは、海洋動物の体内組織の形成に役立っています。

魚や藻類にはナチュラルなオメガ3脂肪酸が豊富に含まれており、
これらはアレルギー反応から犬を守る有益な食物になります。
また、地上の植物、それを食べる動物には
オメガ6脂肪酸が高い比率で含まれています。

【オメガ3脂肪酸の注意点】
オメガ3脂肪酸は酸化しやすい脂肪酸なので、
体内のビタミンEを減少させることがあります。
オメガ3脂肪酸の酸化を防ぐために抗酸化ビタミンのビタミンEが消費されます。
このためビタミンEを適宜摂る必要があります。
また、その保管には冷蔵保存が望ましく、低温下におくほど酸化から免れます。